システムを作った人が、もう会社にいない
社内の業務に欠かせないシステムなのに、作った本人が退職してしまい、今では誰も中身が分からない——。それでもシステムは毎日動いているため、つい対処を後回しにしてしまいます。このページでは、その状態に潜むリスクと、仕様書がなくても「中身の分かる状態」を取り戻す方法をお伝えします。
このページの要点
- 「動いているから大丈夫」が一番危ない。壊れた瞬間に、直せる人も情報もないのがブラックボックス化のこわさ
- 仕様書がなくても、動いているシステムとデータベースから現状は文書化できます(コードは嘘をつかない)
- 調査だけのご依頼も承ります。受け取った文書一式は、その後どこに頼んでも使える御社の資産になります
こんな状態になっていませんか
- 業務には必須のシステムだが、触れる人が社内に一人もいない
- 障害が起きたら、誰がどう直すのか決まっていない(決められない)
- 困ったときは、退職した本人に個人的に連絡して聞いている
- 業務の変更に合わせて改修したいが、壊しそうで怖くて触れない
- ログイン情報やソースコードがどこにあるのか、誰も知らない
- 引き継ぎ書は「ある」ことになっているが、読んでも分からない・実態と合っていない
一つでも当てはまれば、そのシステムはすでに「ブラックボックス化」しています。担当者が辞めた直後だけでなく、辞めて数年たってから問題が表面化するのが、このパターンの特徴です。
※自社の退職者ではなく、外注先の開発会社と連絡が取れなくなったケースは、「開発会社と連絡が取れなくなったら」のページをご覧ください。
「動いているから大丈夫」が一番危ない理由
ブラックボックス化したシステムの怖さは、「いま壊れていること」ではなく、壊れた瞬間に、直せる人も、直すための情報もないことです。普段は何も起きないからこそ、リスクが見えません。
しかも、何もしなくてもリスクは時間とともに勝手に増えていきます。
- 土台のサポート終了(EOL)
- システム本体に手を入れなくても、それを動かしているサーバーのOSやプログラミング言語には「サポート期限」があり、いずれ必ず切れます。サポートが終了した環境はセキュリティ修正が提供されず、攻撃に対して無防備になります。さらに、サーバーの老朽化などでいざ移転が必要になったとき、新しいサーバーでは古い環境がもう選べず、「動かせる場所がない」という事態が起こります。
- データの肥大化
- データは毎日たまり続けます。作った当時は快適でも、数年分のデータがたまると動作が目に見えて遅くなり、ある日「処理が終わらない」状態になり得ます。中身が分からないままでは、どこを直せば速くなるのかの調査すらできません。
- 業務や制度の変化に追従できない
- 消費税率や帳票の様式変更、業務フローの変更——システムの外側は変わり続けます。改修できないシステムは、現場の手作業やExcelでの「システム外運用」を増やし、システムがあるのに仕事が増えるという逆転が起きます。
放置するほど、調査の難易度も、いざというときの被害も大きくなります。動いている今こそ、調査の最適なタイミングです。
いきなりの契約や、しつこい営業はありません。状況をお聞かせいただくだけでも大丈夫です。
引き継ぎ調査で分かること
「仕様書もないのに、外部の人間に分かるのか」と思われるかもしれません。結論から言うと、動いているシステムとデータベースさえあれば、現状は文書化できます。コードは嘘をつかないので、むしろ古い仕様書より正確です。
調査では、次のことを明らかにしてお渡しします。
- 1. 何が・どこにあるか(所在の確認)
- ソースコードはサーバーのどこにあるか、データベースはどれか、バックアップは取られているか。いま動いているシステムの「原本」がどこにあるかを確定させます。
- 2. どう動いているか(構成の文書化)
- 何の言語・仕組みで作られ、どのサーバーで、何と連携して動いているか。業務の流れとシステムの処理がどう対応しているかを、構成図と文書にまとめます。社内の誰が読んでも「全体像が分かる」状態を目指します。
- 3. どこが危ないか(リスク箇所の洗い出し)
- サポートが切れている・切れかけている環境、バックアップの対象から漏れているデータ、ログイン情報や設定が記録に残っておらず障害時に復旧の手が打てない箇所などを、優先度をつけて一覧にします。「今すぐ直すべきもの」と「当面様子見でよいもの」を分けるので、対応の予算計画が立てられます。
調査結果のドキュメントはすべてお渡しします。この文書一式があるだけで、「誰も分からないシステム」から「誰に頼んでも見てもらえるシステム」に変わります。当方に保守を任せるかどうかにかかわらず、御社に残る資産です。
進め方と料金
1ご相談(無料)
まずはメールで状況をお聞かせください。「何のシステムかもうまく説明できない」という段階で結構です。何の業務に使っているか、いつ頃・誰が作ったか、分かる範囲で十分です。
2お見積り
お伺いした内容をもとに、調査の範囲と費用をご提示します。サーバーへのアクセス手段(ログイン情報など)が分からない場合は、その確保の進め方からご案内します。
3現状調査・ドキュメント化
ソースコード・サーバー・データベースを調査し、上記の「所在・構成・リスク」を文書化します。調査は原則、稼働中のシステムを止めずに行います。
4その後の対応(任意)
調査結果をもとに、月額保守・改修・リスク箇所の解消など、必要な対応をご提案します。実施するかどうか、どこに頼むかは御社の自由です。
| 内容 | 料金 |
|---|---|
| 現状調査・ドキュメント化(構成図・リスク一覧込み) | 100,000円〜 ※規模により |
| 引き継ぎ後の保守(監視・バックアップ・障害一次対応・軽微な改修枠) | 月額30,000円〜 |
| 小規模な改修(スポット) | 50,000円〜 |
※表示価格は税別です。
初回のご相談・概算お見積りは無料です。調査のみのご依頼でも問題ありません。
よくあるご質問
退職した担当者と連絡が取れなくても大丈夫ですか?
はい、本人への連絡は「ない前提」で進められます。調査はサーバー上で動いているシステムそのものを対象に行うため、作った人の記憶に頼りません。もし本人に確認できることがあれば調査が早くなる、という程度の位置づけです。
かなり古い言語(PHP5系など)で作られているようですが、対応できますか?
はい、調査・文書化は可能です。古い環境はサポートが終了していることが多いため、調査の際にリスクとして整理し、「このまま動かし続ける場合の注意点」と「環境を新しくする場合の選択肢」を併せてご提示します。
調査の結果、「作り直した方がいい」と言われたりしませんか?
その方が御社のためになる場合は、正直にそうお伝えします。ただし、作り直しありきの提案はしません。判断基準も明確で、延命(現状維持+最低限の手当て)・部分改修・作り直しのそれぞれについて費用とリスクを比較できる形でご提示し、決めるのは御社です。実際、調査の結果「作り直しは不要。月額の保守と最小限の手当てで足りる」という結論になるケースも珍しくありません。
調査中、業務でシステムを使えなくなりませんか?
いいえ、原則として止めずに調査します。ソースコードの確認やデータベースの調査は、稼働中のシステムに影響を与えない方法で行います。万一、再起動などで短時間の停止が必要になる場合は、必ず事前にご相談し、業務時間外に実施します。
まだ担当者は在籍していますが、退職前に頼んでおくことはできますか?
それが理想的なタイミングです。本人がいるうちに調査・文書化を行えば、コードからは読み取れない「なぜこう作ったか」という経緯まで記録に残せます。退職が決まってからのご相談でも、引き継ぎ期間に合わせた進め方をご提案します。